【元白鵬・宮城野親方の目】貴景勝を評価「大関がしっかり賜杯」、豊昇龍&霧島は「負けない自分の型を」

 大相撲の元横綱白鵬宮城野親方(38)が25日、秋場所15日間を総括した。大関貴景勝(27)=常盤山=が9人目のカド番優勝。1場所15日制が定着した1949年5月場所以降では4例目の最低成績の11勝4敗Vだったが、一定の評価を出した。一方で新大関・豊昇龍(24)=立浪=、カド番だった大関・霧島(27)=陸奥=は1ケタ白星に終わり、不調ぶりを嘆いた。また、優勝決定戦に進出した幕内・熱海富士(21)=伊勢ケ浜=の今後の鍛錬ポイントなどを挙げた。

国技館で優勝一夜明け会見で対応する大関・貴景勝

秋の土俵は貴景勝が制しました。11勝4敗で優勝ラインが低いことは否めませんが、全休明けの場所、しかもカド番だったわけですから、かなりのプレッシャーがあったと想像します。優勝決定戦の立ち合いでの変化もさまざまなご意見があるかと思いますが、両膝などのけがを抱え、千秋楽は体力も限界に近かったのでしょう。優勝すべき大関がしっかり賜杯をつかんだことは評価できると思います。

 一方、新大関・豊昇龍は千秋楽で勝ち越し、初のカド番だった霧島も9勝止まり。かなり物足りなかったです。豊昇龍は初日を見た限りでは期待を抱きました。体の調子が悪かったのかもしれませんが、一気に崩れました。大関になると黒星を喫したときにかかる重みが全く違います。私も大関昇進以降は、負けた翌日は大変な思いでした。看板力士の重み、叔父さんの朝青龍関の心身両面でのすごみを痛感したことでしょう。

 口酸っぱく言うようですが、こうなったら負けない自分の型を早く完成させるべきです。相撲にまとまりがないと言いますか、迷いが出てきますからね。これは霧島にも共通することです。両者ともに稽古に励み、体も大きくすべきでしょう。2人とも優勝経験のある実力者ですし、けがも少ない。一つ上の番付への期待も大きいです。常に「自分は弱い」という意識を持って努力してほしいです。

 今場所を振り返る上で忘れてはいけないのが、熱海富士の存在です。彼がいなかったら秋場所はどうなっていたのだろう、と思うくらい盛り上げてくれました。一方、上位には通用しないことも痛感したことでしょう。立ち合いは腰が高く、まだ甘さを感じます。飛行機が離陸するような立ち合いを磨くべく、強い力士と稽古を重ねてほしいです。

 また、弟子の北青鵬が千秋楽まで優勝争いをしましたが、名古屋場所の伯桜鵬に続き、2場所連続で悔し涙をのむ結果に。今度はうれし涙を流したいですね。その伯桜鵬はリハビリと治療に励んでいます。しっかり治して復帰しますので、もう少しお待ちいただければと思います。(宮城野親方=元横綱白鵬、スポーツ報知評論家)

糖尿病の最新医療

前立腺の最新医療

px.a8.net

px.a8.net

px.a8.net

px.a8.net